50代の「身体投資」革命。1年後の5km完走へ向けた「戦略的KPI」の全貌

55歳。ふとした瞬間に鏡に映る自分を見て、あるいは駅の階段を上っただけで息切れする自分に気づき、愕然としたことはありませんか?

「明日から走ろう」

そう決意しても、結局三日坊主で終わってしまう。

それは、あなたの意志が弱いからではありません。「戦略」がないからです。

20代や30代の頃なら、「根性」や「若さ」というレバレッジだけでなんとかなりました。しかし、私たち50代にとって、無計画な運動は怪我(=損失)のリスクが高い「ギャンブル」でしかありません。

人生の後半戦、私たちが最優先で管理すべきは、金融資産でもスキルでもなく、それらを運用するための土台となる「身体資本」です。

本記事では、「じぶん投資ラボ」所長である私が、根性論を一切排除し、ビジネスと投資のフレームワーク(KGI/KPI)を用いて設計した「1年後の5km完走プロジェクト」の全貌を公開します。

これは単なるランニング日記ではありません。

データとロジックで身体を変えるための、「身体投資」の設計図です。


根性論からの脱却。「身体投資」という新しいアプローチ

世の中には多くのランニング指南書がありますが、その多くは「いかに速く走るか」や「いかに自分を追い込むか」に焦点を当てています。しかし、私たち50代のビジネスパーソンに必要なのは、精神論で身体を酷使することではありません。

必要なのは、ビジネスや投資の世界では当たり前に行っている「現状分析」と「戦略立案」です。

50代、管理すべきは「お金」と「スキル」そして「身体資本」

結論から言えば、健康こそが最もROI(投資対効果)の高い投資対象です。

どれだけ金融資産(Financial Lab)を年利4%で運用し、AIスキル(Skill Lab)で生産性を高めたとしても、それを活用する自分自身(ハードウェア)が故障してしまえば、すべての資産価値はゼロになります。

現在57歳の私は、長年のデスクワークにより慢性的な運動不足に陥っています。これを投資の言葉で言えば、「主要設備の老朽化を放置し、減価償却が進んでいる状態」です。

これ以上の資産価値の低下(=老化・病気)を防ぎ、パフォーマンスを維持するためには、適切なメンテナンスコスト(=運動・食事管理)を投じる必要があります。これは「趣味の運動」ではなく、人生という事業を継続するための「必須の設備投資」なのです。

なぜ50代の運動は続かないのか?(ビジネス視点の欠如)

多くの人が運動を継続できない理由は、意志が弱いからではなく、「ビジネス視点」が欠如しているからです。

仕事において、「気合いで売上を上げろ」と言われたらどう思いますか? 「具体的な戦略は? 目標数値(KPI)は?」と反論したくなるはずです。しかし、いざ自分の健康のこととなると、私たちは途端に「気合い」や「明日から頑張る」という曖昧な精神論に頼ってしまいます。

  • 従来のランニング: 「毎日頑張って走る」(具体性なし、感情頼み)

  • 身体投資アプローチ: 「データに基づき、リスク(怪我)を管理しながら、目標数値(KPI)を達成する」(具体的、論理的)

私は、金融市場で培った「データ分析」と「リスク管理」の手法を、そのままランニングに応用することにしました。感情を排し、システムで管理する。これが「根性論を捨てる」という意味です。

KGI(最終目標)設定:1年後の決算は「5km完走」

ビジネスにおいて目標のないプロジェクトが失敗するように、明確なゴール(KGI:Key Goal Indicator)のない運動もまた、挫折の道を辿ります。

私の「身体投資プロジェクト」における1年後の決算目標(KGI)。

それは、「1年後の市民マラソン大会における、5kmの完走」です。

「たったの5km?」と思われるかもしれません。しかし、これには投資家としての明確な戦略的意図があります。

フルマラソンではなく「5km」を選ぶ戦略的理由

ランニングを始めようとする多くの人が、いきなり「フルマラソン(42.195km)完走」という大きな目標を掲げがちです。しかし、運動習慣のない50代がいきなりフルマラソンを目指すのは、投資で言えば「退職金の全額を、よく知らないハイリスクな新興国通貨に一点賭けする」ようなものです。

これは投資(Investment)ではなく、投機(Gambling)です。

  • ハイリスク: 膝や腰への負担、心血管系への急激な負荷(怪我=資産毀損のリスク)。

  • 不確実なリターン: 完走できる確率は低く、途中棄権による自信喪失(心理的ダメージ)の可能性が高い。

57歳の私が目指すべきは、ハイリスク・ハイリターンではありません。「確実に資産(体力)を積み上げ、元本割れ(怪我)を起こさないこと」。そのための適正なリスク許容度が「5km」なのです。

投資と同じ「スモールスタート」で成功体験を得る

システムトレードや積立投資でも、最初は最小ロット(少額)からテスト運用を始めます。まずは市場に参加し、値動き(負荷)に慣れ、小さな利益(成功体験)を積み重ねることが、長く相場に生き残る鉄則だからです。

この原則をランニングにも適用します。

  1. スモールスタート: いきなり長い距離を走らない。

  2. 確実なリターン: 「大会完走」という明確な成果(配当)を得る。

  3. 再投資: 5km完走という自信を元手に、次は10km、ハーフマラソンへと目標を複利的に成長させる。

1年後に「5kmを完走した」という実績を作る。この小さくとも確実な成功体験こそが、その先の10年、20年続く健康な身体への第一歩となります。

戦略の全体像:成功のための「4つのCSF」と詳細KPI

KGI(5km完走)を達成するために、「とにかく毎日走る」という闇雲な行動はとりません。それでは何が成功の要因で、何が失敗の原因かが分析できないからです。

私はこのプロジェクトを、以下の 4つの重要成功要因(CSF:Critical Success Factors) に分解しました。これをツリー構造で管理することで、ボトルネックを可視化します。

① バランスシート改善(体組成の最適化)

まずは、走るための「車体」の整備です。

57歳の膝や足首にとって、体重過多は「過剰債務」を抱えているのと同じです。着地衝撃は体重の3倍とも言われます。まずはこの負債(脂肪)を圧縮し、自己資本比率(筋肉量)を高めます。

  • 考え方: 「軽量化」による負担軽減と、「エンジン(筋肉)」の維持。

  • 主要KPI:

    • 体重: 75kg → 65kg(マイナス10kg)。これが最大の怪我予防策です。

    • 体脂肪率: 不要なコストの削減。

    • 骨格筋率: 単なる減量で筋肉まで落とさないよう監視します。

② 資産積立(活動量の習慣化)

投資において最強の手法の一つが「ドル・コスト平均法(定時定額積立)」であるように、運動も「一定のリズム」で積み立てることが重要です。ここでは「距離」を追いません。距離を目標にすると、無理をしてフォームが崩れるからです。

  • 考え方: 「距離」ではなく「時間」と「頻度」で基礎体力を積み立てる。

  • 主要KPI:

    • 活動時間: まずは「30分間」動き続けること(ウォーキング含む)。

    • 頻度: 週3回~4回。習慣化の定着率を測ります。

    • 日常歩数: ランニング以外の生活活動(NEAT)によるカロリー消費。これを「インカムゲイン(日々の確実な収益)」として確保します。

③ リスク管理(心肺機能・強度)

50代のランニングにおける最大のリスクは「怪我」と「心疾患」です。これらを避けるために、感覚ではなく「心拍数」というデータでリスクヘッジを行います。

  • 考え方: 「頑張らない」を数値化する。

  • 主要KPI:

    • 心拍数ゾーン: 「ゾーン2(脂肪燃焼ゾーン)」 を徹底的にキープします。これを超えたら、勇気を持って歩きます。

    • 安静時心拍数: 毎朝計測し、平常時より高ければ「疲労蓄積」と判断してトレーニングを休む。これは投資における**「損切り(早期撤退)」**ルールと同じです。

    • VO2Max(最大酸素摂取量): 長期的な心肺機能の成長指標としてモニタリングします。

④ 生産性向上(ランニングエコノミー)

少ないエネルギーで、安全に前に進む技術を習得します。特に注目すべきは「足の回転数」です。

  • 考え方: 歩幅(ストライド)を広げると着地衝撃が増し、故障の原因になります。歩幅は狭く、回転数を上げることで安全性を確保します。

  • 主要KPI:

    • ケイデンス(1分間の歩数): 一般的に170〜180回/分が理想とされますが、まずは現状の数値から徐々に上げ、着地衝撃の分散を目指します。

マネジメントツール導入:Apple Watch 11の採用

戦略とKPIが決まっても、それを計測・管理できなければ意味がありません。ビジネスにおいてBIツール(ビジネス・インテリジェンス・ツール)が必要なように、身体投資にも「ダッシュボード」が必要です。

私はこのプロジェクトのマネジメントツールとして、Apple Watch Series 11 を導入しました。

身体データを可視化する「ダッシュボード」としての役割

ランニング中、自分の感覚はあてになりません。「まだ行ける」と思っていても心拍数が危険域に達していたり、「ゆっくり走っているつもり」でもペースが速すぎたりします。

Apple Watchは、前述したKPIをリアルタイムで手元に表示してくれます。

  • 心拍数: ゾーン2を超えたら振動で警告を受け、ペースを落とす。

  • ケイデンス: 足の回転リズムを常に確認する。

  • 活動量: リングの進捗で、その日の積立目標(運動量)の達成度を一目で把握する。

これは単なる時計ではなく、私の身体という工場の稼働状況を監視する「制御システム」なのです。

なぜプロ仕様のGarminではなくApple Watchなのか(ROI視点)

ランナーの間では「Garmin(ガーミン)」が高機能でバッテリー持ちも良く、定番とされています。しかし、投資対効果(ROI)の観点から、私はあえてApple Watchを選びました。

理由は、「24時間の管理コストパフォーマンス」です。

Garminは「ランニング中」の性能は圧倒的ですが、私が管理したいのはランニングの時間だけではありません。睡眠の質、安静時心拍数、日常の歩数、心電図など、「走っていない残りの23時間」も含めた生活全体のヘルスケアです。

iPhoneとの親和性が高く、すべての健康データを「ヘルスケア」アプリに自動集約できるApple Watchの方が、現時点での私のフェーズ(生活習慣の改善と習慣化)においては、圧倒的にROIが高いと判断しました。

高価なランニング専用ギアへの追加投資は、KGI(5km完走)を達成し、次のフェーズへ進む時の「ご褒美(追加投資)」としてとっておきます。

結論:これは日記ではない。「身体運用報告書」である

最後に、このブログの今後の運用方針について宣言します。

冒頭でも述べた通り、この「じぶん投資ラボ」は、単なるランニング日記ではありません。「今日は天気が良くて気持ちよかった」という感想文を書くつもりはありません。

このブログは、定義したKPIが計画通りに進捗しているかを監視し、ズレが生じれば対策を打つ、「身体運用報告書」です。

毎月の予実管理とPDCAサイクル

ビジネスにおいて、計画(Plan)を立てたら、実行(Do)し、評価(Check)し、改善(Action)するサイクルを回すのは当然です。

今後は、毎月末に「月次運用レポート」を公開します。

  • 予実管理: 計画していた体重・体脂肪率と、実績の乖離(差異分析)。

  • KPI推移: 骨格筋率は維持できているか? 安静時心拍数は下がっているか?

  • 次月の対策: データに基づいて、トレーニング強度や食事内容をどう修正するか。

成功したデータだけでなく、失敗したデータや、予想通りにいかなかった停滞期もすべて包み隠さず公開します。その「生のデータ」こそが、同じ悩みを持つ同年代の方々にとっての有益なケーススタディになると信じているからです。

57歳からでも、戦略があれば身体は変わる

57歳という年齢は、決して若くはありません。

しかし、適切なリスク管理を行い、複利の力を味方につければ、資産を増やすのに遅すぎるということはありません。身体も同じです。

根性論ではなく、戦略を。

感情ではなく、データを。

私のこの「身体投資」の実験が、データ通りに1年後の5km完走というリターンを生み出すのか。それとも、机上の空論に終わるのか。

ぜひ、その検証結果を皆様の目で確かめてください。

そしてもし、共感していただけるなら、あなたもご自身の「身体投資プロジェクト」を今日から始めてみませんか?

共に、人生最高の投資リターンを目指しましょう。

 

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